仲乃家
  栃木市の大正期創業の老舗料亭の一部を旅館に改修した計画である。
  栃木市は「重要伝統的建造物群保存地区」を有する北関東を代表する観光地の一つであるが、宿泊施設は数軒のビジネスホテルと一軒の旅館しかなく、また宿泊を通してゆっくりと栃木固有の文化に触れることが出来る、体験の場としての宿泊施設も不足していた。アフターコロナで増加が見込まれる来街者が、ゆっくりと滞在しながら栃木固有の体験を得られる旅館となることが求められた。
  当計画の母体であり、「食」を通して栃木の文化や歴史を今に伝える既存料亭「仲乃家」の、大正創業期の趣を今に伝える建築を残しながら、約100年ものあいだ培ってきた料亭の哲学に倣ってその一部を改修する計画として、栃木の歴史に寄り添うと共に未来に向けた文化の発信を担う地域拠点となる事を目指した。

敷地 栃木県栃木市
規模・構造 旅館
竣工年月 2023年
共同設計者 antelope/アンテロープ一級建築士事務所
撮影