鹿沼市旧市街の路地裏に建つ、築40年弱の木造2階建て住宅の改修です.依頼主は30代夫婦+子どもらによる家族で、先々代から引き継いだ思い入れ深い住宅を自分たちの新しい住まいにしたい、という相談が始まりでした.
建物は路地裏かつ近隣商業地域で建物が高密度に林立し、この住宅への日照も通風も良い条件とは言えませんでした.暗く、寒く、暑がりだった.数年空き家だったこともあり室内の意匠も少々くたびれていて、依頼主の新しい住まいとしてけっして相応しい状況とは言えなかった.
この改修で考えていたことは次のことです.
個室はつくらない.子どもらが個人的に使うスペースは確保するけれども、着替えなど強いプレイベートゾーン以外の個室はつくらない.居間や食事室はそれぞれ引き戸で区画はできるけれども、例えば1階の居間と2階の子どもスペ―スには声や空気が行き来する吹き抜けをつくったりしました.この操作を繰り返すことで 50坪という大きな住宅がゆるやかな一室空間のように感じられます.部屋数を稼ぎ、nLDKで定量化する一般的な住宅計画とは逆の方法をとったわけです.
一室空間に近づけたことで、暗がりだったそこここに光が落ちるようになりました.特に1階の居間と食事室には2階から吹き抜けを通じて光が落ちるようになりました.通風も光と同じ経路で吹き抜ける.1階の居間のソファで寝転んでテレビを見ている横目で、2階で机に向かう子が見えたりするわけです.家族が同じ空間を共有しているという感覚を持てるようにしました.
室内の意匠はホワイトと木をベースに、ステンレスの無垢板やタイルをそこここに使用しています.キッチンセット、レンジフードは全て大工、家具、金属職人による製作で、食事をつくり皆で食べるという生活の中心に耐えうるモノとして気を配って設計をしました.(2019.7.9)
敷地
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栃木県鹿沼市
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規模・構造
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一戸建ての住宅
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延床面積
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総工費
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竣工年月
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2019年
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写真
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実施設計スタディ模型 外観
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実施設計スタディ模型 室内
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実施設計スタディ模型 子どもワークスペース
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実施設計スタディ模型 寝室,ウォークイン
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