商い空間から住まいを変える/30年後の人々のための住まいコンペ案
 平成29年、関東甲信越建築士会かながわ箱根大会でコンペティションされた「30年後の人々のための住まい」への提出案.

 建築家・山本理顕氏の講評---
住宅は消費空間であるが、本案では住空間における生産性が計画されている.来街者を視野に入れている.つまりここは観光地になる.消費と生産の循環により、持続性のあるコミュニティが期待できる.

プレゼンボードA3版(.pdf)

以下、本文から引用---

 ⽞関ドアから内側が「住まい」である.私たちは今、そう思っている.⾼度経済成⻑以降、⼀⼾建て住宅は住まいのスタンダードである.が、⼈⼝や⽣産⼒、社会保障の縮⼩の時代に⼊った今、各々の負担のもと、⼀⼾建ての住宅を個⼈が維持していくことは⾮常に困難である.縮⼩の時代、余剰の空間ストックの扱いも重要なテーマである.今、新しい住まい⽅が必要である.

 ⼈⼝減少、商業⼒低下の⼀⽅、鹿沼市旧市街地では若者がDIY をメインに既存の建物を改修し、個⼈店を出店する事例が増えている.1999 年から現在までに、カフェや居酒屋、花屋、ゲストハウス、デザイン事務所など、500m 四⽅のエリアに17 店舗が開業した.ゲストハウスの宿泊客が⾷事は居酒屋やカフェでとる、花屋の内装をデザイン事務所が⼿掛ける、そんな⼩さなコミュニティ圏が⽣まれている.鹿沼の商いの新しい形である.このコミュニティ圏の隅に住まいを組み込めば、些細な住まいであっても商いに補完されながら豊かに暮らせる場所ができると思った.

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敷地 栃木県鹿沼市
規模・構造 (既存)銀座通り、末広町通り
延床面積 ---
総工費 ---
竣工年月 ---