iPhoneのあの音で警報が鳴り目覚めた8月25日未明、窓越しに聞こえる雨の強さが大きく、怖かったことを朝思い返す。ニュースによると1時間に110mmという降雨、この雨量を「記録的短時間大雨」というのだという。バケツをひっくり返したような雨、それを凌ぐ次世代の雨である。金子さんからLineが届く、数枚の写真が添付されていてどこかの道だが、櫃沢の現場手前の沢の道で、路肩が崩落している。写真をたぐると、他にもいくつかの被害があるようだ。敷地内の小川も流路が拡幅し、際をえぐっている。写真にはないが、山際や石垣、そして母屋や雨屋に被害はないかなど気にかかる。金子さんは昨晩の大雨を心配して現場の様子を見に行ってくれたのだという。お礼を伝えて、午後自分も行って見ると返信すると、気を付けて、とくる。金子さんは小学校時代の2つか3つ上の先輩で、同じ野球部だった。気を付けて、は、あの頃と変わらない感じの先輩らしい優しさでこちらに届く。はい、わかりました、と素直に返したくなる気を付けて、だ。午後の櫃沢は、被害はおおむね金子さんの報告通りで、石垣や建築に大きな被害はないが唯一、母屋の土間に、接近する山側から水が入った痕跡がある。室内より外の地面の方が高くなっているのが原因だと思う、この部分の土砂や枯れ葉の撤去は、脇本さんにちかぢかやってもらう予定である。現場を発ち、スマホの電波が戻ってきたところで、鹿沼市の道路維持課に電話を掛ける(櫃沢の現場は圏外である)。沢の道の崩落の状況を伝えると、あの沢の先は誰も住んでいないと聞いていましたという。事情を話し、対応を要請するとすぐに見に行ってくれるという。