日光の住まい
 日光の山々への眺望に恵まれた傾斜地に建つ、一人住まいのための住宅です.

構造
7.28×7.28メートルの正方形プランとすることで外壁面を最小限にし、また、単純な方形屋根とすることで小屋組を単純化し躯体のコストを抑えています.

身体との関係
正方形に居室を余白なく入れ込んだプランですが、山々への風景をリビングのインテリアとして取り込めるよう開口部を設けることで面積以上の空間の広がりと豊かさを確保しています.住み主の身長に合わせた天井高さ2.2メートルという低さが、より外部への広がりや眺望を強調しています.
リビング・ダイニング、寝室など日常的に使用する居室の室内仕上げは、無垢の桧や和紙などの手触りが良いものを採用しています.一方、水回りなどの衛生ゾーンではビニル系の材料を用い、メンテナンス性を優先しています.

環境
正方形プランによる外壁面積の低減は、温熱負荷の低減にも貢献します.併せて、軒は外壁から1.1メートル突き出し、夏は激烈な直射光を遮蔽し、冬は暖かな日射光は適度に室内に採り込みます.この深い軒は、外壁を雨水や紫外線から保護するので数年後の建物メンテナンスの低減にも大きく寄与するでしょう.
居室に多用した木や和紙は湿度を吸排出するため、室内湿度の変動を小さくする役目も持ちます.






敷地 栃木県日光市
規模・構造 木造(在来軸組) 平屋建て
延床面積 52.04 平方メートル(15.76坪)
総工費 1,150万円(税抜)
竣工年月 2015年7月