活動の発端といえば。

こんにちは。今日は大学に缶詰状態で卒論の追い込みです。そう、『旧鹿沼宿の町並み調査研究』です。「旧鹿沼宿歴史を活かしたまちづくり計画」に取り組むきっかけになったのも、この卒論を始めたことがきっかけにあります。今日は、なぜに私ワタナベが歴史的建造物に目覚めたのかを書きましょうか。 そもそも「旧鹿沼宿歴史を活かしたまちづくり計画」とは、栃木県鹿沼市の旧市街地に残る歴史的な建造物(この活動では戦前のものと定義)を大切な資産の一つと捉えて、まちづくりに活かしていきましょう、というのがスタンスにあります。 もちろん、「古いものは大切だ」とか「歴史を活かしましょう」といくら唱えてもダメで、それを論理的に立証させて示さなきゃいけない。鹿沼旧市街の歴史的な建造物はこんな風に重要で、残すことにこういう意味があります。なのでそれを活かしてまちづくりをしませんか、と。そうすればこんなメリットがあって、私たちの生活はこういう風に豊かになりますよ、という具合にです。 それを示そうと試みているのが、今の卒論です。この卒論、もしくは来年度進む大学院での修論で、「旧鹿沼宿歴史を活かしたまちづくり計画」で訴えていることの学術的な裏付けを取って、活動の意義というか、「歴史的建造物を活かしましょう」ということの説得力を高めたいんです。 じゃあ、そもそもなんで歴史的な建造物に興味を持ったのか。そのきっかけは大学3年秋の設計の授業でした。 神奈川県浦賀市の旧造船所のドッグの活用案を示す課題でした。ワタナベはその巨大空間と豊富な自然環境を取り込む図書館に改修する案を示したのですが、一人の先生に「なんで図書館なの?図書館でなきゃいけないの?」とつっこまれました。その場で「図書館でなきゃいけない」理由も出てこなく、黙ってしまったのですが・・・。 結局、僕がそのとき何を感じたかっていうと、建築計画でもまちづくりでも何でもそうだけれど、その場所でしかできないことをやらなきゃツマラナイということを学んだんです。 そのことが悔しくて悔しくて。じゃあ卒論ではまず自分の生まれ育った場所と向き合って、とことんその「場所」を知ろう。その場所が重ねてきた歴史の重層は世界でたった一つだし、それと向き合えば、自然とその場所でしかできないことが見えてくるんじゃないのかなと考えたんです。この考え方でいけば、浦賀ドッグも図書館でなく、他のプランが示せていたのだと思います。 そんな背景で卒論に取り組んでいる訳ですが、提出まであと2週間。鹿沼と向き合い、時に笑い、時に泣き、毎日勉強することばっかりです。先は険しそうです。  
先日の実測調査での一枚。 この鬼瓦一つからも、職人さんの想いや、住まい手の願いが感じ取れるような気がしてます。 

 

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