2020.4.4

HPが更新されていないようで気になったとヨコハマからフジモトセンセイがメールをくれた.

書くことがなかったわけではない、毎日やるべきことは多くあるし充実している傍ら
SNSを手繰るたびなんとなく滅入ってブログも開く気にならなかった.
 
見ていてくれる人がいるから、さっき一度布団に入ったが、這い出ていまPCに向かっている.
自宅の2階の奥の部屋には更に奥があって一坪分の書斎のようなニッチがある、
その書斎は北向きで窓の向こうに隣家の南側の窓と向き合うかたちになり隣人の灯りがみえる、なんか書けそうな気がする.
 
今日のことを書く、
 

朝9時に向かったのは自宅から車で5分の日吉のショップのある住まいである.
引き渡しは先々月に済んでいるが、いくつかの手直しがあって大工が作業をしている.
クライアントは僕より一つ下のI夫婦とその子どもたちで、子の一人が窓を全開にした陽が射す南土間で着替えていた.
知らない60代くらいの男性が庭で作業をしていて、Iさんが父だと紹介してくれる.
お父さんは初見寡黙で怖そうだったが口を開き、若いのに良く気の付く設計をしてくれてと褒めてくれた.
Iさんは、父はあまり人のことを褒めないとあとで教えてくれたから、お父さんの本心なんだと外の陽気も相まって僕は嬉しくなった.
 
大工と打合せをして車でまた5分の事務所に行く、中高の同級であるS夫婦との打合せなのだ.
Sがあの日事務所に突然来て実家を改築したいという相談から3か月たった.
今日聞くと、その間いくつかのハウスメーカーを回ったようだが、改めて僕らに設計を頼むことに決めてくれたという、
やっぱ家って一生に一度ジャン、パーっと来てパーッと建ててハイ3,000千万じゃ寂しいジャン、
というのがSの言い分である、時間がかかってもいいからいい家を建ててくれという.有り難い話である.
 

S夫婦と別れて事務所を出る、徒歩で5分の今宮の歯科医院で院長夫婦との打合せである、

彼らとの付き合いは修士課程の頃からだからもう13年来だ、13年も経ったんだ、
歳は20くらいあちらが上だが時折週末BBQをしたり仲が良い、打合せというのは登録文化財でもある医院のメンテナンスである.
医院に着くなり院長がこのあと暇からと聞く、1時間後に近所で別の打合せが、という僕の言葉は届いたかどうか、
川で打ち合わせしよう!という、そのままメルセデスに乗せられ、10分後には大芦川の河川敷でアウトドアチェアに座っている.
春の風がさらさらと吹き抜ける気持ちの良い打合せであることには疑わない、ただもう15分後には町に戻って別の打合せである.
打合せを済まし、アイスコーヒーを飲み切って再びメルセデスで10分、町に戻る、
今宮の歯科医院から車で5分の鳥居跡ビルヂング改修の現場監理である.
 


鳥居跡ビルヂングは新鹿沼駅前の鉄骨造3階建ての旧寿司店で、寿司店廃業後しばらく放置されていた.

オーナーが変わりテナントビルとして再スタートを切るための改修をしている、
写真は解体してしまうような勢いで外壁が喪失しているがこれは改修である、そう不安になるくらい解体が多い改修である.
この工事はオーナー発注の工事つまりA工事で、同時にいま入居予定者からも店舗設計つまりC工事の設計も依頼されて大急ぎで進んでいる、
A工事の解体で発見される未見部分をC工事の設計に反映していく、日々設計が変わっていく、コントロールしているようで流れに身を任せている.
打合せが終わるころにはだいたい5時で少し暗くなり始めている、次は車で15分の引田の住まいである.
 

引田の住まいは着工から2年が経ってようやく竣工が見えた現場である、
旧主屋を徐々に解体しながら建物を2期に分けて建築していく方法に加えて
旧主屋解体で採集した部材を新建物に再利用するというものだからこんなに長くかかった、とにかくようやくここまできた、
大工の親方ともしみじみこのかかった時間について今日は話した、親方もほっとした感じだった.
これから製作に入る木製建具についての打合せを終えて車で15分の事務所に戻る.
 
6時半、事務所に戻り灯りを点ける、今日は土曜日でまちはわりと静かな感じである、
向かいの菓子屋のナカソネさん夫婦はシャッターを下ろして帰り支度をしている.
 
言葉を書くのには自分以外の他者に向けて書く言葉もあるが自分自身に向けられる言葉がある.
自分自身に向けるのは自分を例えば励ますとかそういうこととは違くて考えるために言葉を書く.
他者に何かを訴えるために書かれた言葉は最近のSNSを見ていて疲れた、
その人が自分で考えるために書いた言葉を、最近は僕は読んでいたい、と思いながら自宅に帰った.

 

 

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