2020.6.16


狙ってはいなかったが梅雨の晴れ間に当たり、竣工から1年弱を経て今日、 レストラン・ハミングバードの外部撮影に、写真家のアラタケンジさん、造園家の脇本さんと入った.  敷地内の各所に、脇本さんによる植栽を設えたのは去年の秋だったから、 緑の葉がついた植栽を見るのは今日初めてである.  脇本さんとの協働は、建築設計側から具体的な植栽要望はまずは伝えていない、 こちらからお願いしたことと言えば、このあたりに、こんなボリュームのものを、とかとても抽象的な言葉で、 具体的な植栽は脇本さんが現地で、建築物と掛け合いながら施されている(ように僕には見える).  あらためて、脇本さんの植栽は建築物からみると完全に「外部」だが、建築物の内部と外部を繋ぐ「もう一つの外部」のような印象がある. 室内空間と「外部」を接続する「もう一つの外部」のような感じである. 
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2020.5.21


この頃は、自宅と事務所の行き来は15分くらいかけて歩いている. 自宅は山の上だから、坂を下り、中世山城のあった御殿山公園を通り役所の脇に出たら、 今宮神社の境内、彦寿司、例幣使街道を渡り掬翠園、上田町の十二社神社境内を抜けて間もなく事務所である. 別に考えてこのルートにしたわけではない、歩きやすい方へ行ったらこのルートになったという感じである. 歩きやすい、というのは、自動車があまり走らない道である.  学生の頃から好きでよく開く本だが、ゴードン・カレンの『都市の景観』がある.

 「歩行者の道」というくだりがあってこうある、 「歩行者路のネットワークは、都市を結びつけて生き生きとしたパターンをつくり出す。それは階段、橋、

独特な路面のパターンなど、連続と接近を保証するあらゆる手段を用いて場所と場所を結びつけている.
交通路線は非人格的に通過していくが、粘り強く快活な歩行者路のネットワークは人間の都市をつくり上げる.
ネットワークはときに活発で外向的になり(中略)全体は緊密に連結されていなければならない」

 
歩行者のための道というのは、粘り強く快活に場所と場所を結びつけるのだという.
自宅と事務所を結ぶこの道は、両者とその中間にある空間、例えばあのお店やあの人のスタジオを
粘り強く結びつけ、まとまりのある一つの地域や界隈をつくってくれている.
 同著の「囲い地」というくだりにはこうもある.
「囲い地の外側は非人格的なコミュニケーションの騒音と速度が支配している.
非人格的なコミュニケーションは通過するだけで、いかなる場所にも属していない」
 
「囲い地」というのは、先に書いた地域や界隈のことである.
「非人格的なコミュニケーション」というのは、自動車が走る道である.
地域や界隈の生活を豊かにするためにあるはずのその外側の交通が、
いまは地域や界隈の生活を窮屈にしている.この本はそう教えてくれている.
 
人と人を結ぶ物理的空間は「歩行者の道」である.
「歩行者の道」は一つの地域を人々が共有する助けとなる.
最近は、リモートで人と人を結ぶオンラインツールが盛んである.
「歩行者の道」が地域という物理的空間を共有するなら、オンラインツールが助ける共有物とは何か、
これは設計者としてよく考えないといけないところだと思う、これをずっと考えている、

 
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2020.4.13


春の嵐それも大嵐のなか、矢板へ. どこまでが敷地ですかと聞くと見えるところ全部、あっちの山もぜーんぶ、と言う、 築100年だそうである、本当にこれを建て替えるのか、僕はできれば建て替えたくないと思ったが、建て替えたいのだという. 
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2020.4.12


日吉の住まいのクライアントからラインが入る. 改修工事を終えてその報告を前オーナーに手紙に書いた、そしてさっそく招待することになったから一緒にどうかという誘いである. そんなことがあるのかと思っている. 前オーナーにとってはこの家は手離したとは言え自分たちが育った家である. この家が経てきたそういう時間を、新しい住み主であるこのクライアントは引き受けている. クライアント彼らにとってこの家は自分たちだけのものではないのである. 設計者である自分にとってもまた、この家は自分のものであるとも思う、 クライアントにとっては「外部」であるこの僕の気持ちも、彼らは引き受けてくれると思う. 
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2020.4.9


中高の同級であるS家族からの依頼で、上野町で、住宅の計画がスタートした. 坂の途中にある路地を入った奥に深い敷地である. 東の隣地から3メートル程度下がった敷地で、家族はその高低差に少し不安があると言っている. 僕はその高低差が身体のよりどころになっている感じがして好きである. カキやらクリやら実のなる木がすでにいくつか植わっている. 周囲は木造2階建ての住宅で囲まれているが、探せばいろいろな部分から、旧市街が遠くに見える隙間がある.  
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2020.4.4

HPが更新されていないようで気になったとヨコハマからフジモトセンセイがメールをくれた.

書くことがなかったわけではない、毎日やるべきことは多くあるし充実している傍ら
SNSを手繰るたびなんとなく滅入ってブログも開く気にならなかった.
 
見ていてくれる人がいるから、さっき一度布団に入ったが、這い出ていまPCに向かっている.
自宅の2階の奥の部屋には更に奥があって一坪分の書斎のようなニッチがある、
その書斎は北向きで窓の向こうに隣家の南側の窓と向き合うかたちになり隣人の灯りがみえる、なんか書けそうな気がする.
 
今日のことを書く、
 

朝9時に向かったのは自宅から車で5分の日吉のショップのある住まいである.
引き渡しは先々月に済んでいるが、いくつかの手直しがあって大工が作業をしている.
クライアントは僕より一つ下のI夫婦とその子どもたちで、子の一人が窓を全開にした陽が射す南土間で着替えていた.
知らない60代くらいの男性が庭で作業をしていて、Iさんが父だと紹介してくれる.
お父さんは初見寡黙で怖そうだったが口を開き、若いのに良く気の付く設計をしてくれてと褒めてくれた.
Iさんは、父はあまり人のことを褒めないとあとで教えてくれたから、お父さんの本心なんだと外の陽気も相まって僕は嬉しくなった.
 
大工と打合せをして車でまた5分の事務所に行く、中高の同級であるS夫婦との打合せなのだ.
Sがあの日事務所に突然来て実家を改築したいという相談から3か月たった.
今日聞くと、その間いくつかのハウスメーカーを回ったようだが、改めて僕らに設計を頼むことに決めてくれたという、
やっぱ家って一生に一度ジャン、パーっと来てパーッと建ててハイ3,000千万じゃ寂しいジャン、
というのがSの言い分である、時間がかかってもいいからいい家を建ててくれという.有り難い話である.
 

S夫婦と別れて事務所を出る、徒歩で5分の今宮の歯科医院で院長夫婦との打合せである、

彼らとの付き合いは修士課程の頃からだからもう13年来だ、13年も経ったんだ、
歳は20くらいあちらが上だが時折週末BBQをしたり仲が良い、打合せというのは登録文化財でもある医院のメンテナンスである.
医院に着くなり院長がこのあと暇からと聞く、1時間後に近所で別の打合せが、という僕の言葉は届いたかどうか、
川で打ち合わせしよう!という、そのままメルセデスに乗せられ、10分後には大芦川の河川敷でアウトドアチェアに座っている.
春の風がさらさらと吹き抜ける気持ちの良い打合せであることには疑わない、ただもう15分後には町に戻って別の打合せである.
打合せを済まし、アイスコーヒーを飲み切って再びメルセデスで10分、町に戻る、
今宮の歯科医院から車で5分の鳥居跡ビルヂング改修の現場監理である.
 


鳥居跡ビルヂングは新鹿沼駅前の鉄骨造3階建ての旧寿司店で、寿司店廃業後しばらく放置されていた.

オーナーが変わりテナントビルとして再スタートを切るための改修をしている、
写真は解体してしまうような勢いで外壁が喪失しているがこれは改修である、そう不安になるくらい解体が多い改修である.
この工事はオーナー発注の工事つまりA工事で、同時にいま入居予定者からも店舗設計つまりC工事の設計も依頼されて大急ぎで進んでいる、
A工事の解体で発見される未見部分をC工事の設計に反映していく、日々設計が変わっていく、コントロールしているようで流れに身を任せている.
打合せが終わるころにはだいたい5時で少し暗くなり始めている、次は車で15分の引田の住まいである.
 

引田の住まいは着工から2年が経ってようやく竣工が見えた現場である、
旧主屋を徐々に解体しながら建物を2期に分けて建築していく方法に加えて
旧主屋解体で採集した部材を新建物に再利用するというものだからこんなに長くかかった、とにかくようやくここまできた、
大工の親方ともしみじみこのかかった時間について今日は話した、親方もほっとした感じだった.
これから製作に入る木製建具についての打合せを終えて車で15分の事務所に戻る.
 
6時半、事務所に戻り灯りを点ける、今日は土曜日でまちはわりと静かな感じである、
向かいの菓子屋のナカソネさん夫婦はシャッターを下ろして帰り支度をしている.
 
言葉を書くのには自分以外の他者に向けて書く言葉もあるが自分自身に向けられる言葉がある.
自分自身に向けるのは自分を例えば励ますとかそういうこととは違くて考えるために言葉を書く.
他者に何かを訴えるために書かれた言葉は最近のSNSを見ていて疲れた、
その人が自分で考えるために書いた言葉を、最近は僕は読んでいたい、と思いながら自宅に帰った.

 
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2020.2.2


フクジュソウが顔を出しているのがリビングから見えて、庭に下りる. 外はわりと温かくて、間もなく立春ではあるけれど、もう少し寒くなってもらった方が、いいんじゃないかなあ 
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2020.2.1


Sと、Sの実家周辺を歩く. Sとは高校2年のときに同じクラスだったことを、今日Sからそう言われて思い出した. 自分があの年、何組で、誰と一緒だったとか、担任の先生が誰だったとか、 ぼくは殆ど覚えていないことをSからそう言われて今日気付いた. 親の話、家業の話、なぜSが教師になったのかとか、歩いた後のココスでの昼食時にいろいろ話した. Sは強面だが、教師をやっていることの悦びを話してくれて、それがとても温かい気持ちにさせた. 
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2019.1.31


日吉の改修は間もなくの竣工に向けて大忙しで進んでいる。 写真は、キッチン兼ショップから家族の食事スペースを見ている. 手前左のキッチンワークトップは、その奥で戸棚になり、さらにその奥の部屋に連続して食事テーブルになっている. 大工たちがその食事テーブル部分を建て込んでいる. 杉の大きな一枚板だから微妙な調整で大変そうである. 
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2020.1.25


日吉町の改修はようやくここまできた・・・ 2年前の2018年8月にクライアントに出会い、設計、現場を経て来月2月に改修完了、 とは言え、住みながら改修を続ける部位があちらこちらにあるので それからも一緒につくっていきたい、  
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2020.1.24

 



日本建築士会連合会が毎月発刊している会誌『建築士』に、 鹿沼に事務所を開いて、何を考えて設計しているかを寄稿しました. ウェブサイトにもPDF版をアップしています. 2019 10 2019 11 2019 12 
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2020.1.22


事務所でPCに向かっているとドアを叩く音、 見ると中高校同級のSが立っている. 数年ぶりに会う顔、Sは昔から強面で今は近所の学校で教員をしているがやっぱり今も強面だ. 少し笑ってお願いがあると言う. ご両親はすでに亡くなり実家が空き家になっている、自分はそこから近所のアパートに住んでいる、 近い将来、実家や隣接する親族の持つ空き家を含めてリニューアルし、 自分たち家族が住めるような環境を整えていきたい、 敷地は広いから住むだけではなくて賃貸事業をやってもいいかな、 相談できそうだから事務所を訪ねたという具合だ. 来月、一緒に現場を見て昼食でもどうだというので楽しそうだから行こうと返事をする. 
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2020.1.16







LOCAL REPUBLIC AWARD 2018の提案を見たSさんからの声を掛けていただき、

U町の将来像を一緒に考える機会を頂いた、今日は晴天のもと現地を歩いてみる.
U町は坂下・坂上でいうと坂上で旧市街を見下ろす台地の上にあって
昔は近くに住んでいたから頻繁に往来していた地域だったけれども
久しぶりに見て回ったら道とその先の風景と高低差がとても生き生きしていて興奮した.

 
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2020.1.7


日吉町の改修、至るところに新設した開口によって それまでの門扉→玄関→廊下→各室という一本の線的な動線は数本の循環する動線になり 室と室の関係は多関係になって家全体がワンルームのようだし、いろいろな部分に居る場ができて室が増えたようにも感じる. 
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2020.1.6


自宅は東に下る傾斜地に建っていて鹿沼の市街がよく見える. 毎朝7時頃になると鳩(おそらく飼われている)が十数羽でその東の空を飛んでいて今日はそれを捉えてみようと思った. 
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2019.12.28


喜連川、暮れの暮れになって形になってきた. ドアの引手にはもともと建物内にあった竹を真鍮釘で留めてもらった. 
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2019.12.18


知人の紹介で、亡くなったある建築家のご家族が彼の蔵書の処分に困っていると連絡があった. 訪ねると500冊を超える建築関係の蔵書があって、必要ならば故人の想いを汲んで引き取ってほしいという. 見ると、GAやSD選書に加え、多くはF.L.ライト関連の和洋書である.

生前、ライトの建築に傾倒していたと夫人が言う. 帰り道で、これは僕だけが見るのではなく、ブックカフェのような場所をつくって 興味のある人に手に取ってもらえるようにしたいなと思う.

 
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2019.12.12


築40年の木造専用住宅の改修である日吉の現場です. 8畳和室による田の字型プランでしたが、壁を壊したり、つくったり、天井を壊したり、貼り替えたり、 建具を障子から框ガラス戸に変えたり、長押や欄間をとったり、のこしたり、いろいろな足し引きをして 純和室を和でも洋でもない求められた室機能に合うインテリアに設えていきます. 写真は室の床を700mm上げて、そこを子どものベッドスペースにしていて、その先の足下に水平連窓を新たに穿孔しています. 
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2019.12.9


冨士山から見た僕らが住む鹿沼はこんな感じに山々に抱かれているでごわす. 
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2019.12.7


2年前に設計がスタートした喜連川は現場が進んでいます. 組積造の大谷石蔵の半分に木造の軸組を入れ込んだ入れ子構造です. 石、コンクリートブロック、フレキシブルボード、ラワン合板、ポリカ波板など 農家の作業場を想起させる素材をドライジョイントで構築します. 農家の作業場をモチーフにするのは、ここで提供される食事の素材が 農家という生産の場から直送されてきた、その現場感を空間として表現したいからです. 
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2019.11.28




宇都宮のレストランHBの竣工写真を撮影しました.

撮影はアラタケンジさんです.
撮影の途中で造園家の脇本さんも加わってお喋りしました.

 
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2019.11.24



Johnさんに分けてもらった小麦、今年ようやく蒔けた. 事務所の前です.皆さん見てください. 
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2019.11.22


横山敦士さんの「is house」を、見てきた.これからレポート書きます. 
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