住所:〒322-0066 栃木県鹿沼市上田町1904
電話:0289-78-5572
メール:hello@wtaa.jp

代表者プロフィール:
渡邉 貴明
一級建築士(第359954号)
工学修士(宇都宮大学大学院)
鹿沼市文化財保護審議委員
関東学院大学 非常勤講師
株式会社DANNAVISION 取締役

1985 鹿沼市生まれ
2014- 建築設計室わたなべ
2016- 国立小山高専 研究支援員 (-2020)
2018 LOCAL REPUBLIC AWARD 2018 最優秀賞
2020 緑の環境プラン コミュニティ大賞
2021 SD Review 2021 入選/農家住宅の不時着
2023 ぐんまの家 最優秀賞/農家住宅の不時着
2023 日本空間デザイン賞2023 入賞/仲乃家

建築士事務所登録:
一級建築士事務所 栃木県知事 第Aイ3470号

所属:
日本建築学会 正会員
栃木県建築士会 正会員

スタッフ:
渕邉 雄城 /一級建築士
神野 伽音 /一級建築士
渡邉 早紀

顧問:
税務)株式会社ウィステリアコンパス

かぬま通信

20250315



OPEN CAMPUS 馬頭那珂川、第2回目は「発掘編」として「造り方(構造)がどうなっているか」を部分解体を通じて見た。明治元年築と伝承する農家住宅の、解体したのは囲炉裏のある中央の室(イロリマ)の、床だ。実測編で判明したことだが、この床の下はどうやらコンクリート土間になっている、ははん、この床は時代が下ってから張られたのだ、以前は西面する台所(土間で下足利用している)とひとつづきの空間だったんじゃないか、そう立った推論を検証する「発掘編」でもあった。 作業はスクール参加者、オーナー、我々スタッフ総勢10名をして、約4帖分の床を1日かけてじっくりバラした。済むと「西面する土間の台所とひとつづきで使える土間の間」が推論そのままに現れた。宮本常一は『有賀喜左衛門著作集3』から引いて農家住宅は、①作業場として使用される部分、②日常の共同生活にあてられる部分、③各自の寝室、その3つの使用目的を持っており、その比重の如何によって土間が広くなったり、床のある間が広くなったりする、と言う(『日本人の住まい-生きる場のかたちとその変遷』)。この原則で今一度この農家住宅をみると、ある時期に家族が増えて②と③が拡張され①が逼迫した文脈が見えてくるが、イロリマの土間化が①を再拡張したことになる。①の拡張は、農を生業としかつ来訪者を気軽に招くスペースを要望する現オーナーの生き方と自然と重なる。 台所がしっくりくるスケールに拡張調整されて、これがこの住宅の当初の骨格だったんだと身体も言っている。皆を見るとたぶん同じことを考えている顔で、すっかり広くなった土間に家具をレイアウトする家具大喜利でさっそく盛り上がる。解体をもって空間を整えることができる、解体は精細な技術を必ずしも要しない原始的な作業である、解体は建築を自分たちの手に戻す手がかりとして地味だが貴いスキルなのだ。
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